共通テスト後に思うこと

 今年度も共通テストが終わりましたが、毎年この時期になると感じることがあります。高3生にとっては初めての大学入試であり、逆算してスケジュールを立てるのが難しいため、「高1生や高2生の頃にもっと勉強しておけばよかった」と後悔する方も少なくないと思います。

 受験後に「もっと勉強しておけばよかった」と落ち込む生徒を見るのは、教える側としても非常に辛いものです。少なくとも塾生にはそのような思いをしてほしくないため、早め早めの対策を心掛け、高1生の頃から本気で受験に取り組んでもらっています。

 高松市では、「大学受験はまだ先だから」「受験勉強は高3生になってからで大丈夫」と伝える先生が進学校にもいらっしゃるようですが、その意図には疑問を感じます。また、「この問題は難しいので皆さんの負担が減るように定期試験には出しません」と、共通テストレベルの問題を定期試験の範囲から外す先生もいるようです。しかし、そのような対応では、生徒が大学入試の際に困ってしまうのではないでしょうか。

 高1生や高2生は大学入試に対する認識が甘く、「まだ受験は先」と考えている生徒が多いのが現状です。その意識を変えるには、相応のエネルギーが必要です。教える側が本気で取り組む姿勢を見せなければ、生徒も本気にはなりません。確かに大変なことですが、その労力には十分な価値があります。受験後に落ち込む生徒を見ることがなくなります。

 教える側が、高1生や高2生の頃に何となく授業を行い、高3生になってから本格的に受験指導を始めるという姿勢ではいけません。責任ある真摯な対応を続けていけば、共通テスト後に後悔する生徒は減らせるはずです。

 学校の先生や塾・予備校の講師にとっては、大学入試は「初めて」ではなく、教え子が受験するのは何度も経験しているはずです。高3生が逆算してスケジュールを立てるのは難しくても、教える立場からすればそれほど難しいことではありません。だからこそ、高1生や高2生の時期から大学入試に向けて勉強するよう促し、できるだけ多くの教え子に後悔させるのではなく、「頑張ってきてよかった」と自信を持たせる指導が何よりも大切だと思います。

教える側が早期から本気で大学入試に取り組むことで、共通テスト後に後悔する生徒の数は確実に減らせるはずです。共通テスト後に「高1生や高2生の頃にもっと勉強しておけばよかった」と思う生徒がいなくなることを心から願っています。